艦船ファンならば知っておいた方が良い事
大日本帝国海軍重巡洋艦
利根型。今までの常識にとらわれない非常に革新的な設計の軍艦であり、その斬新な作りは世界的にも有名であります。ちなみに“利根”をローマ字表記すると“TONE”と成り、これは音楽用語の“トーン”のスペルとまったく同じであり“TONE”と言う名前を始めて見た外国の人達はとても軍艦の名前だとは思わなかったそうです。
さて、これだけ高性能な艦ならばその後大量に建造されてもおかしくは無いのですが、ネームシップの利根の他は二番艦の筑摩だけしか在りません。重巡と言う艦種がこれで建造をストップしたと言うのなら解りますが、この利根型以降には最上型の準同型艦とも言える伊吹型が建造されています。
最上型は建造当初の軽巡としてなら世界最高性能の軽巡洋艦なのですが、主砲換装後の重巡として見ると取りたてて特徴の無い軍艦であり、「今更最上型と同じ艦を増やすぐらいなら利根型を作ってた方が良いのでは?」とは軍艦ファンならば誰もが一度ぐらいは思うとは思いますが、実際にはそう言う事には成りませんでした。
これはなぜか?
当時の日本における艦艇設計士として有名なのは、古株の平賀造船官と、その主流派からは離れた藤本造船官でありますが、この利根型は当時主流派を押さえて勢力を伸ばしつつあった藤本造船官を筆頭とする新鋭の非主流派による設計だったのです(だからこそこれだけ斬新な艦型に設計出来たのだと思う)。そして運の悪い事にその非主流派を取りまとめていた藤本造船官が心半ばにして急死してしまうのです。
藤本造船官の死によって勢力を取り戻した主流派は自分達が設計した最上型の改設計艦伊吹型を利根型以降の量産艦として据える訳です。
もう、御分かりでしょう。いくら高性能な艦とは言え非主流派の設計した艦を主力兵器にはしたく無いと言う、醜い派閥争いの産物が伊吹型という形で具現化してしまったのでした。
自国の存亡の危機よりも自分達の派閥争いの方が大事と言うのはいつの時代も変りません。
今日も今日とて今の時代も国会議事堂で同じ様に国民そっちのけで自分達のためだけの醜い派閥争いが繰り広げられています。
良く、何も知らないヒス婆系が「戦争を勉強するのは戦争する事を煽っている」とえらそうに口にしますが、ヒス婆系って言うのは基本的に勉強不足で思いついた事をすぐ口に出すだけですから、ここに掲載した事を逐一説明してあげればもう何も言えなくなるでしょう。
兵器を好きになると言うのは如何に効率良く人を殺せるか?と言う事を知る事に成りますが、それと同時に如何に戦いを回避するかと言う事も知る事になるし、そしてこの歴史の黒い部分も知る事になるのです。